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取引先や上司・同僚とのネット経由の意思疎通

リモートワークの悩み

2024年10月16日

ビジネスとオンラインコミュニケーション

プラカルはオンラインコミュニケーションツールの側面を持っています。ビジネスで利用するオンラインコミュニケーションツールといえば、かつては電話とFAXでした。今では電子メール、チャット、Web会議ツールなどを目的に応じて利用しています。特に2020年のコロナ禍で出社できない環境になったことで、オンラインコミュニケーションツールは急激に普及し、市民権を得ました。

ネット経由のオンラインコミュニケーションが、現代のビジネスにおいて非常に重要であることは疑いようがありません。まず、地理的な制約を超えて、どこからでも迅速に情報を共有できるため、業務の効率化が図れます。また、移動時間やコストを削減できるため、時間と経費の節約にも繋がります。さらに、テキストやビデオでの記録が残るため、後から確認や見直しが容易です。これにより、誤解や情報の漏れを防ぎ、業務の透明性と信頼性が向上します。オンラインコミュニケーションは、柔軟な働き方を支え、チームの連携を強化するための不可欠なツールです。

ネット経由で本当に意思疎通が図れているか

では、ビジネスの現場でのオンラインコミュニケーションで本当に意思疎通が図れているでしょうか。

以前のコラムでご紹介した通り、日本生産性本部による2023年1月27日公表、第12回「働く人の意識調査」[1]には、リモートワークの導入によって、どういった課題が認識されるようになったかについての調査結果報告が掲載されています。この調査結果によると、リモートワーク全般的な課題・悩みのランキング第5位が「上司・同僚との連絡・意思疎通を適切に行えるような制度・仕組み」となっています。コロナ禍対応のために、さまざまなオンラインコミュニケーションツールが導入されたものの、連絡や意思疎通をもっとうまくできないものだろうかと悩む現場の様子が目に浮かびます。

「コミュニケーション」とは、情報や気持ち、感情を相手と交換する作業です。ビジネスで必要になるのは、コミュニケーションに際し、自分の意思を相手に伝達し、相手の意思を受け取り理解し合う「意思疎通」というスキル。相互理解のためのコミュニケーション能力と考えても良いでしょう。

生まれたときや物心がついた時点ですでにインターネットやPCが身近にあったデジタルネイテイブ世代には想像できないかもしれませんが、電子メールが一般に普及し始めた1990年代から2000年代初めごろは、電子メールでお互いにやり取りした後、本当に意思疎通が図れているかを確認するために電話をかけたり、わざわざ対面で打合せする光景が普通でした。

電話や対面打合せを行うことで、感情がちょっとした表情や声のトーンに現れたり、打合せの場の雰囲気や、反応スピードなどを感じることができるため、意思疎通が図れているか否かの確信を持つことができたのです。特にとても重要なテーマのときや、誤解があっては困る内容のときは、電子メールだけというコミュニケーションにはせず、「話したいことが正確に伝わる手段として」必ず電話したものでした。

2024年2月にソフトバンクが実施した「電話とテキストコミュニケーションに関する調査」[2]で、10代から20代の若者の約4割が電話が苦手だと感じていることが明らかになりました。この調査によると、電話が苦手な理由の第3位が「話したいことが伝えられないから」なのだそうです。今は電話よりもテキストコミュニケーションを優先する20代が8割を超えており、20数年でコミュニケーション環境は大きく変化しました。

ネット経由の意思疎通の課題

前述したような電子メール後に電話で確認するといった光景は見られなくなったものの、いまだに「物事の伝わりにくさ」はオンラインコミュニケーションでの意思疎通の課題となっています。

音声や映像によるオンラインコミュニケーションでは、相手の表情や声のトーンなどが伝わりにくく、コミュニケーションに込められた意図や感情とは別の捉え方をしてしまうことがあります。また、テキストによるオンラインコミュニケーションでは文字でのやり取りが中心となるため、誤った認識を与えないためにも伝えたいことを言語化する能力が求められます。いずれのオンラインコミュニケーションにおいても、伝える側はその意図や感情をうまく正確に伝えることが求められます。

また、対面のようなシームレスな(途切れのない)コミュニケーションはオンラインでの実現は難しく、対話のテンポの悪さがストレスと感じる人も一定数存在します。対面会議で多数が発言する「ワイワイガヤガヤ」や、丁々発止といわれるテンポ良い熱い議論をオンラインで実現するのは現在のオンラインサービスでは困難ですので、この辺りもオンラインコミュニケーションで意思疎通を図る場合の課題といえます。

もっと基本的な課題として、年齢層の高い世代の人にとっては、オンラインツールの扱いに慣れていないケースが少なくないということが挙げられます。。オンラインツールを使い慣れていない人にとっては、かえってオンラインコミュニケーションがストレスに感じてしまう恐れがあり、意思疎通ばかりか業務の生産性低下にも影響してしまいます。

ネット経由の意思疎通のための工夫

オンラインコミュニケーションでの意思疎通の課題である「物事の伝わりにくさ」を少しでも打破しようと、ビジネスの現場ではさまざまな工夫をしています。

オンラインツール(例:チャットツール、ビデオ会議システム)を固定することで、その機能をフル活用するためのスキルアップに時間を割く組織もあります。効果的なオンラインコミュニケーションのためのルールとガイドラインを設定し、一定基準以上のコミュニケーション品質を担保しようとする組織もあります。

意思疎通のための効果的なオンラインコミュニケーションには、要点を簡潔にまとめること、映像がある場合は相槌を打ったり、笑顔を心がけたりすること、物事を可能な限り具体的に説明し、相手が理解できる言葉を選ぶことなどが必要です。これらをガイドラインとして明示することで現場での意識醸成を行うわけです。参加者が話しやすい雰囲気を作るためにアイスブレイクを目的とした雑談の時間を確保することをガイドラインに記載している組織もあります。

ビジネスではなく個人間のSNSでは意思疎通の工夫として、絵文字とスタンプが用いられます。絵文字やスタンプを活用する方が、テキストのみの場合より親近感があり、視覚からも感情を伝えやすくなるからです。

プラカルは、絵文字やスタンプほどカジュアルではないものの、SNSでも見られる「いいね!」ボタンを設けることでチームコミュニケーションに対する反応を手軽に可視化する機能を備えています。コメント機能といいね!ボタンの組み合わせにより、最も基本的な相互理解と意思疎通を実現しようとしているのです。

取引先とのネット経由コミュニケーションの動向

ビジネスにおけるコミュニケーションの方法は時代とともに変化しており、取引先とのコミュニケーションも例外ではありません。取引先が「顧客」である場合は、CRM(顧客関係管理システム)やSFA(営業支援システム)といった仕組みを通じてコミュニケーションするのが普通になりました。2019年に施行された働き方改革関連法や、2020年の新型コロナウイルスによる外出自粛要請の影響により、取引先や顧客とのコミュニケーションに更なる変化が見受けられます。具体的な変化としては、次のようなものが代表的でしょう。

 ● 商談や打ち合わせが対面からWeb会議ツールになった
 ● 契約や承認フローなどの業務がオンラインで完結できるようになった
 ● 書類やデータなどの共有方法がEメールに添付からオンラインストレージになった

これらは全てオンラインツールを用いたネット経由コミュニケーションによる取引先とのやりとりです。これ以外にも、以前なら社内コミュニケーションに用いられていたビジネスチャットを取引先とのコミュニケーションに用いるケースが急増しています。

ビジネスチャットツールを取引先とのコミュニケーションに導入する最大のメリットと言えるのが、情報共有がスムーズになることです。ビジネスチャットでは、グループを作成し、そのグループ内で送信されたメッセージや添付ファイルはグループに参加している全員に共有される仕組みです。そのため、電子メールのように「CC」や「BCC」を使う必要がなく、共有する人数が増えると発生しやすい送信漏れの心配もいりません。

プラカルは主として社内の業務タスクチーム向けに機能を提供していますが、ここに取引先を追加し、ビジネスチャットと同様のやり取りをすることが可能です。取引先とファイルを共有したり、ここで送ったメッセージに対して、取引先が「いいね!」の反応を示したりコメントすることが可能となっています。

チームの上司・同僚とのネット経由の意思疎通

コロナ禍が一段落した現在、多くのチームがリモートワークやハイブリッドワークを採用しています。この新しい環境下で、前述したリモートワーク全般的な課題・悩みのランキング第5位「上司・同僚との連絡・意思疎通を適切に行えるような制度・仕組み」に対応する工夫をいくつかみてみましょう。意思疎通を適切に行うための必須の制度・仕組みとして、以下の3つを挙げました。

 ● チームビルディング
 ● モチベーション維持
 ● 問題解決のためのコミュニケーション

最初は、リモートでのチームビルディングの工夫についてです。よく行われているのは、定期的なオンラインイベントを活用することで、物理的な距離を感じさせないつながりを育むことです。オンライン飲み会、オンラインゲームやクイズなどのインタラクティブな活動もチームの絆を深める手段として有効です。チームビルディングのためにバーチャルオフィスツールを導入して「ワイガヤ」環境をつくってみるという方法もあります。

次に、チームワークに対するモチベーションの維持の工夫についてです。チームのモチベーション維持にはさまざまな要素があるものの、カギとなるのはリーダーシップと透明性のあるコミュニケーションの2つです。リモート環境では、進捗や目標を可視化するためのツールが役立ちます。また、定期的なフィードバックや感謝の言葉を忘れないことで、メンバーが孤立感を感じることなく、モチベーションを高めることができます。プラカルの機能はこの点を非常に意識しています。

最後は、問題解決のためのコミュニケーションの工夫です。これは迅速かつ効果的な情報共有が不可欠です。リアルタイムでのオンラインコミュニケーションを活用し、問題が発生した際にはすぐに対応できる体制を整えることが大事です。また、問題解決に向けたブレーンストーミングやディスカッションの機会を増やすことで、多角的な視点からの解決策を見出すことができます。プラカルでは、タクスごとのコメントのやりとりや、タスクノート機能、ファイル共有、マインドマップでのブレーンストーミング環境を提供しており、チーム一丸となって問題解決する体制を強力にバックアップします。

リモートワークやハイブリッドワークにおいて、ネット経由でチーム内の意思疎通を図るためには、世の中にあるツールの機能だけではなく、さまざまな工夫と努力が必要です。プラカル開発陣は、リモートワーク環境においても強固で効率的なチームを築くためのアイデアを機能として実現し続ける予定です。


[1] https://www.jpc-net.jp/research/detail/006234.html
[2] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000041498.html

この記事の執筆者
データ・アプリケーション
Placulマーケティングチーム
経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有していデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて企業のDX推進を後押ししています。

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