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デジタルワークと進化する働き方の未来を考える

デジタルワーク

2024年09月18日

働き方進化の背景にあるテクノロジーの進化

プラカル(Placul)は、「人」や「ナレッジ」をつなげることで、個人と組織がともに成長し続ける職場DXを提供するためのプラットフォームです。弊社では、IT(情報技術)をフル活用した新しい時代の働き方を「デジタルワーク」と称し、働く場所や時間に左右されない未来の働き方の実現に向けた技術開発に取り組んでいます。

新しいテクノロジーが登場すると、仕事の環境が大きく変化するのは必然と言えます。インターネットやロボット、スマートフォンが登場する以前と以後で、仕事のやり方がまったく変わってしまった職場の例は枚挙にいとまがありません。

現時点で未来の働き方を変える可能性が大きく、現在利用可能なテクノロジーの代表格として、AI(人工知能)、クラウドコンピューティング、ビッグデータの3つは外せない基本技術と言えるでしょう。

AIはすでに、自動化、効率化、予測分析などにより、働き方を革新しています。AIは、ルーチンワークの自動化から、複雑な問題解決まで、幅広いタスクを支援します。これにより、従業員はより高度な課題に集中することができ、生産性が向上します。

クラウドコンピューティングは、リモートワークの可能性を広げ、柔軟な働き方を実現しています。クラウドサービスを利用することで、場所や時間に縛られずに仕事ができ、チーム間のコラボレーションも容易になります。プラカル(Placul)はまさにこの領域に属するサービスプラットフォームです。

ビッグデータは、組織がビジネスの意思決定を行う方法を変えています。大量のデータを分析することで、市場のトレンドを把握したり、顧客の行動を予測したりすることが可能になります。これにより、より効果的な戦略を立てることができます。

これらのテクノロジーは、働き方を大きく変え、新たな価値を生み出しています。しかし、これらを最大限に活用するためには、適切なスキルと理解が必要です。

AI技術を活用するためには、AIの基本的な概念と、AIがどのように働き、どのように活用できるかを理解する必要があります。また、クラウドコンピューティングを活用するためには、クラウドサービスの種類と特性、セキュリティとプライバシーの問題、クラウドコンピューティングのコストと利益を理解する必要があります。さらに、ビッグデータを活用するためには、データ分析の基本的な手法とツール、データの収集と管理、データの視覚化と解釈を理解する必要があります。

これらのスキルと知識を身につけるためには、教育とトレーニングが不可欠です。知識を学ぶことや、実践的な経験を積むことも重要です。

新しい働き方(デジタルワーク)の多様性

デジタルワークによって、従来型の職場出社以外に選択可能となった新しい働き方がいくつかあります。働き方の多様性です。その代表的なものとして、リモートワーク(テレワーク)、フレキシブルワーク、フリーランスについて見ていきましょう。

リモートワーク(テレワーク)という働き方は、従業員がオフィス以外の場所(通常は自宅)で仕事をする形態を指します。インターネットとデジタルツールを組み合わせたクラウドコンピューティングの進化により、多くの職種でリモートワークが可能となりました。リモートワークは、通勤時間の削減、生産性の向上、ワークライフバランスの改善など、多くの利点をもたらします。

フレキシブルワークは、従業員が自分のスケジュールを自由に設定できる働き方を指します。これには、フレキシブルな勤務時間、コンプレッションワークウィーク(一週間の労働時間を短縮する制度)、ジョブシェアリング(複数の従業員が一つの職位を分け合う制度)などが含まれます。フレキシブルワークは、従業員の満足度を高め、ストレスを軽減し、生産性を向上させることができます。

フリーランスは、個人が自己のスキルを活用して、複数のクライアントに対してサービスを提供する働き方を指します。デジタルワークの進化により、フリーランスは自宅やカフェなどから世界中のクライアントに対してサービスを提供することが可能となりました。フリーランスは、自分の時間を自由に管理でき、自分のスキルを最大限に活用できるという利点があります。

これらの新しい働き方は、従業員のニーズとライフスタイルに合わせて、仕事を柔軟に行うことを可能にしています。しかし、これらの働き方を成功させるためには、適切なデジタルツールの利用、コミュニケーションの確保、自己管理のスキルなどが必要です。例えば、フレキシブルワークを成功させるためには、時間管理のスキルと、自己モチベーションの維持が必要だといわれます。また、フリーランスを成功させるためには、自己マーケティングのスキルと、複数のプロジェクトを同時に管理する能力が必須といわれます。

リモートワーク(テレワーク)という働き方を成功させるためには、適切なコミュニケーションツールの利用と、自己管理のスキルの2つが必要だといわれます。プラカル(Placul)はこの2つをクラウドコンピューティングの仕組みとして実装しています。プラカルでは、業務タスクに紐づいたコミュニケーションを実現し、さらに重要度に応じた通知の振分けで確認漏れや見落としを防止します。さらにプラカルでは、タスクの進捗を確認しながら目標の達成度を自ら振り返るなどの自己管理を行います。

デジタルワーク実現のためのスキル

デジタルワークを効果的に行ない、未来の働き方を実現するためには、新しいスキルを身に着ける必要があります。4つのスキル分野について以下にまとめてみます。

■テクノロジーの理解

基本的なコンピュータスキルはもちろんのこと、クラウドサービス、コラボレーションツール、データ分析ツールなど、現代のデジタルワークで必要となるテクノロジーを理解し、使いこなす能力が求められます。

■コミュニケーションスキル

リモートワークやフレキシブルワークでは、従業員が物理的に離れて働くことが多いため、効果的なコミュニケーションが重要となります。自分の伝えたいこと、聞きたいことを明確にして、それをテキストで伝わるように表現する自律的コミュニケーションのスキル、アクティブリスニングや、「今回は○○がよかった」などの簡単なフィードバックを付与するスキルなどが重要です。

■自己管理スキル

自宅やカフェなど、オフィス外で働く場合、自分自身の時間を管理し、仕事とプライベートのバランスを保つ能力が必要です。これには、時間管理、自己モチベーション、ストレス管理などが含まれます。

■デジタルリテラシー

デジタル情報を効果的に検索、評価、作成、共有する能力です。これは、情報の信頼性を評価したり、デジタルフットプリントを管理したりする能力を含みます。

これらのスキルを身につけるための教育やトレーニングは、多くの形で提供されています。従来型の集合研修もありますが、今ではオンライン研修コース、ウェビナー、ワークショップなどを通じて、自分のペースで学ぶことができます。また、専門知識や経験が豊富な先輩が、後輩の成長や課題解決を支援する関係性や制度「メンターシップ」や、仲間とともに主体的に学びあう「ピアラーニング」も有効な学習方法です。

こうした従業員のスキルアップを支援するためのプログラムを提供する企業は増えています。企業で実施する場合は、内部トレーニング、コーチング、プロフェッショナルデベロップメントの機会などが含まれます。

デジタルワークは、働き方を大きく変えるだけでなく、これまで身に着けてこなかった新たなスキルを必要とします。しかし、適切な教育とトレーニングを通じて、これらのスキルを身につけ、デジタルワークの未来を切り開くことができます。

AIと人間のコラボレーションの進化

現時点でプラカルには内包していませんが、AIというテクノロジーは、少なからずプラカルを使った新しい働き方「デジタルワーク」に影響を与えることになります。AIと人間のコラボレーションは、今後も進化し続けると予想されています。以下に、その主な要素とトレンドをいくつかご紹介します。

■AIと人間の協力が生み出す新たな価値

AIと人間の協力が生み出す新たな価値が注目されています。AI技術の進化と共に、人間の役割も変化しており、この協調がもたらす影響は計り知れません。例としては、AIが大量のデータを迅速に分析し、人間がその結果を基に戦略的な判断を下すことが挙げられます。

■人間らしさの変化

過去数年でAIの表現能力は飛躍的に進化しました。その結果、テクノロジー(AI)と人間の双方で「人間らしさ」に変化が生じています。ひと昔前ならAIがつくった文章はやや不自然な印象がありましたが、今の生成AIから出力されるものは極めて自然で違和感がありません。テクノロジーは人間性を組み込むことで人間らしさを増し、一方で人間の能力はテクノロジーによって拡張され、新たにデザインされた人間性とでもいえるものが誕生しています。

■AIと人間のコラボレーションから共生への転換

ヒトと道具型AIのコラボレーションは,人間社会にロボットやAIの方が入ってくるという意味で、「人間が中心でなければならない」ものだと考えます。これが更に進化し、共生する世界が予想されています。共生とは、互いに認め合い、対等な関係を築きながら、ともに生きることです。共生の世界では、ロボットもAIも、人間と同じく場の空気を読み,人の意図や感情をある程度推定しての先回りした気配りとしての行動ができる必要があります。

■生成AIと人間とのビジネスにおけるコラボレーション

生成AIには得手不得手があります。例えば、最新情報の検索などは苦手分野ですが、文書作成、要約、翻訳、アイデア創出、質問への回答などには非常に優れた能力を発揮します。ビジネスの中でこれらが必要となった場合、人間にとっての最強のアシスタントとして活躍してくれるでしょう。

デジタルワークと社会との関わり

デジタルワークは、すでに社会や経済に大きな影響を与えています。一方で、デジタル格差という新たな問題も生じています。どんな影響を与え、どういった格差があるのかについて見てみましょう。

■社会への影響

デジタルワークは、働き方を大きく変え、ワークライフバランスの改善や生産性の向上を可能にしています。また、リモートワークの本格的な普及により、地域間の雇用格差を縮小する可能性もあります。しかし、現状のデジタルワークは、オフィスワークに比べて人間同士のコミュニケーションが難しいことや、過度の仕事とプライベートの混同など、新たな課題も生じさせています。

■経済への影響

デジタルワークは、新たなビジネスモデルや産業を生み出し、経済成長を促進しています。そもそもデジタルワークを支える側のクラウドサービスや、リモートワークで利用するツール類の産業が急成長しています。「フリーランスマーケットプレイス」と呼ばれるフリーランスの専門家と企業をつなげる新たな産業も立ち上がってきました。教育をデジタル化したオンライン教育マーケットや、データ分析サービスといった産業も成長しています。

もちろん、製品設計や製造プロセスのデジタル化や、3次元の設計図を元に3Dプリンターで材料を積層し立体を造形するAdditive Manufacturing(アディティブ・マニュファクチャリング)などを通じて、我が国の基幹産業である製造業にも大きな影響を与えています。

■デジタル格差

デジタルワーク実行の環境を構築するには、インターネット接続やデジタルデバイス、デジタルスキルが必要となります。これらのリソースにアクセスできない状況や、必要なスキルを身に着ける術のない人々は、デジタルワークの恩恵を受けられず、デジタル格差が生じます。特に、発展途上国や地方地域、高齢者や低所得者などは、デジタル格差の影響を受けやすいといわれます。

格差問題に対処するためには、政策や教育の改革が必要です。インターネット接続の普及、デジタルスキルの教育、デジタルワークの健康的な働き方の推進などが求められます。現状のデジタルワークは、社会や経済に大きな影響を与えるとともに、新たな課題も生じさせているということを理解しておきましょう。

デジタルワークの近未来

デジタルワークの未来は、これまで同様、テクノロジーの進化とともに変化し続けることでしょう。未来を予測することは容易ではありませんが、ここでは弊社が考える「デジタルワークの近未来」について5つの観点の予測を述べます。

■更なるリモートワークの普及

新型コロナウイルスの影響で、2年以上の歳月を費やしてリモートワークが普及しましたが、これは一時的な現象ではなく、働き方の本質的な変化を示していると考えます。今後は、更なるテクノロジーの進化により、より多くの職種でリモートワークが可能となり、地理的な制約から解放されるでしょう。コロナ禍後のテクノロジー進化のひとつがプラカルというチームコラボレーションプラットフォームです。

■AIと自動化は更に進化

AIは誰の目から見ても更なる進化を遂げますし、AIを用いた自動化も同様です。その進化の方向としては、ルールベースの比較的単純な作業だけでなく、例外処理も含むような複雑な判断を必要とする作業に向かっています。従来はヒトが担っていた役割です。AIを活用したデジタルワークにより、人間の役割はより創造的で戦略的なタスクにシフトすることになるでしょう。

■ライフロングラーニングの重要性はますます高まる

デジタルワークの背景にあるテクノロジーの進化は、新たなスキルと知識を常に求めます。つまり、社会に出てからも常に学び続ける人生が普通になります。この考え方を「ライフロングラーニング」といいます。世界の変化が速い以上、この変化は必然です。今後はライフロングラーニングが一層重要となり、自己学習の能力と適応力が求められるでしょう。

■デジタルノマドが増加する

「デジタルノマド」というのはITを活用して仕事をしながら旅をするというライフスタイルのことです。ネットやパソコンを使ってリモートでできる仕事という意味で捉えて構いません。デジタルワークの普及により、場所にとらわれずに働くデジタルノマドが増えると予想できます。これにより、働き方だけでなく、働いていない時間も含めた「生活スタイルそのもの」も大きく変わる可能性があります。

■ワークライフバランスが再定義される

デジタルワークは、仕事とプライベートの境界を曖昧にします。以前は「出勤」することで自分の中での仕事とプライベートの切り分けができたはずです。デジタルワークではまさに「自律」することが求められるようになるでしょう。自律とは気ままを抑え、自分で設けたルールに従って行動することを指します。ビジネスにおいては上司からの指示がなくても、自分で考えて行動することとされています。デジタルワークの近未来では、新たな働き方のバランスを見つけることが一層重要となるでしょう。

これらの予測は、デジタルワークの近未来がどのように進化し、働き方がどのように変わるかを示しています。進化と変化によって個人と組織は継続的に成長するのです。もちろん、これらの変化には新たな課題が伴うでしょう。

成長は痛みを伴う。それは身体的成長に限らない —エルバート・ハバード(作家)

改革には痛みが伴う -小泉純一郎(元内閣総理大臣)

この記事の執筆者
データ・アプリケーション
Placulマーケティングチーム
経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有していデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて企業のDX推進を後押ししています。

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