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DX推進によく使われるデジタルツール

デジタルワーク

2024年07月15日

プラカルはデジタルの進化とともに

プラカルというサービスを開発した背景には、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、5G(第5世代通信)をはじめとしたデジタルテクノロジーの進化があります。デジタルの進化は、すでに人々の生活や社会に大きな変化をもたらしています。最近では、「ChatGPT」に代表される生成AI(人工知能)が大きな話題となり、これまで以上にデジタルテクノロジーが私たちの生活や仕事を変えてしまう予感があります。

こうしたデジタルの進化に伴い、特に、企業や公的機関などの組織を大変革するものとして注目を集めているのがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。今回は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の意味、なぜ今求められているのかに触れたうえで、12の業務領域において役立つデジタルツールをご紹介します。

DXが必要とされている理由

デジタルテクノロジーの進化によって、生活や社会が大きく変わる中で、デジタルトランスフォーメーション(DX)が必要とされています。それはいったいなぜでしょうか。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、簡単に言えば「デジタルを活用した変革」です。2018年に経済産業省が『DX推進ガイドライン』としてとりまとめ、その後の2022年に『デジタルガバナンス・コード2.0』[1]として改訂した資料の中では、以下のように定義されています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

このことから、デジタルトランスフォーメーション(DX)は単に製品・サービスを変革するだけではなく、業務プロセスや企業文化も変えて取り組むべきものだと分かります。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)の目的は「企業の競争優位性を確立すること」なのです。

実は現時点において、デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められているのには少し特別な理由があります。これを「2025年問題」と表すメディアもあります。

経済産業省の報告によると、2025年から年間で現在の約3倍、最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるとされています。その原因は「IT人材の不足」と「基幹システムの老朽化」です。これを「2025年の崖」と経済産業省は表現しています。
仮に2025年までに、IT人材を確保できずシステム刷新を行えなかった場合、市場の変化にあわせて柔軟かつ迅速にビジネスモデルを変更できず、デジタル競争の敗者になってしまうのです。
それだけでなく、老朽化した基盤システムの維持管理費用が高額になり技術的負債を抱え、維持継承が困難になったり、サイバー攻撃のターゲットになるなどのリスクが高まったりします。

こうした経済損失やリスクを生まないためにも、今デジタルトランスフォーメーション(DX)が求められているのです。

デジタルツールを導入することがDXの実現ではない

DX推進に役立つデジタルツールはたくさんあります。さまざまなITベンダーがDXのためのツール導入を宣伝しています。ただし、間違えてはいけないのが、ツールを導入することイコール、DXの実現というわけではないということです。デジタルツールを導入することは、極論すれば単なる「デジタル化」にすぎません。DXは、「デジタルを活用した変革」です。デジタルツールを導入し、適正化されるプロセスや新たなビジネスモデルの創出を生み出し、社会に新しい価値を提供することがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

また、社会に新しい価値を生み出すからには、自社にとっても業務効率化や生産性向上などの課題を解決することにも繋がります。

今までなかった新たな価値を生み出すことがデジタルトランスフォーメーション(DX)であり、それを成功させるための手段の一つとしてデジタルツールがあるのです。

DXを推し進めるデジタルツール

それでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に役立つツールはどのようなものがあるのでしょうか。現在、DXで活用されている代表的なデジタルツールを弊社独自の分類でご紹介します。

もちろん、必ずしもこれら全てを導入しないとデジタルトランスフォーメーション(DX)ができないというわけではありません。ツールは単なる道具です。利用目的によって優先順位や要不要を決定すれば良いものだと考えて下さい。

■コラボレーションツール

コラボレーションツールは、複数のツールを統合し、社内外での情報共有を円滑にするツールです。プロジェクトごとや部署単位で使用することで、業務効率を向上させることができます。機能として、タスク管理、スケジュール共有、ファイル共有、チャット、ビデオ通話などが備わっています。プラカルはチームコラボレーションツールとして位置付けたクラドサービスです。

■社内コミュニケーション用ツール

その名の通り社内コミュニケーションを円滑にするツールです。コラボレーションツールに分類することもできますが、例えば、「社内Wiki」「ビジネスチャット」「社内SNS」などの種類があります。社内Wikiは業務に関する情報を整理して集約できるツールで、ビジネスチャット・社内SNSで社員同士が電子メールよりも手軽にやりとりすることができるツールです。プラカルには電子メールより気軽なやり取りが、コミュニケーションに優先順位がつけられた状態で通知されるという特徴があります。

■オンラインストレージ

オンラインストレージツールは、データを共有し、保存するときなどに役立ちます。インターネット上にデータを保管するため、社内だけでなく外出先から必要なデータにアクセスすることもできます。リモートワーク中のデータのやり取りにもよく使われています。プラカルの場合、各タスクでやり取りされるコミュニケーションにストレージサービス上のリンクを埋め込むことができます。また、容量制限はありますがデータを貼り付けることもできます。これによりタスクごとの関係者全員とのデータ共有と保存が実現します。

■マーケティングツール

マーケティングツールは、企業のマーケティング(販売促進)活動を効率的・効果的にするためのツールです。顧客管理ができる「CRM」、コンテンツを体系的に管理・配信できる「CMS」、日本独特の「名刺管理ツール」、リードの獲得・育成などを自動化できる「MA」などの種類があります。MAは「マーケティングオートメーション」の略で、現実にはWebサイトやメールなどのマーケティング施策を自動化するものです。

■営業管理ツール

マーケティングツールと目的は近いものの、少し異なるものとして、営業管理ツール「SFA」があります。SFAは、企業の営業活動を支援するツールです。顧客情報の管理やアプローチ日の設定、議事録の保管、データ分析など、営業活動において必須機能が備わっています。顧客情報や商談履歴、見込み客の状況などを管理することで、営業活動の精度を大きく向上させます。

■カスタマーサポートツール

カスタマーサポート(CS)向けのツールでは、CS業務を効果的・効率的にしてくれる機能が備わっています。例えばチャットボットであれば、テキストや音声を通じて会話を自動的に行うことができます。簡単な問合せ対応であれば、人間が応対するのではなく、チャットボット対応とする企業もあります。

■プロジェクト管理ツールとタスク管理機能

プロジェクト管理ツールは、企業内のプロジェクト活動の進捗や内容を一元管理することができます。タスク管理や工程管理、メッセージ管理などの機能を持ち、複数人でプロジェクトを進める際に便利です。プラカルに実装されているのはタスク管理機能ですが、シンプルなプロジェクト管理ツールとしての使い方もできるような機能を備えています。

■採用管理システム

採用管理システム「ATS(Applicant Tracking Systemの略)」は、採用活動を効率よく行うためのデジタルツールです。求人管理・応募者管理・選考管理の一連の業務を効率化できます。管理業務だけでなく、Web面接などと連携させることができるものもあります。

■バックオフィス用ツール

バックオフィス用ツールは、バックオフィス、つまり、間接部門の業務を効率化できます。会計業務を効率化するオンライン版の「会計ソフト」や、紙の申請書なく経費データを管理できるクラウド型の「経費精算システム」などがあります。契約書や承認書などの文書に電子的に署名や捺印ができる「電子署名・電子契約ツール」を使えば、紙媒体や郵送などの手間を省くことができます。

■業務自動化ツール

業務自動化ツールはRPAが代表的で、データの転記や入力作業など、簡単な事務業務を自動化できます。RPAとは、「ロボティックプロセスオートメーション」の略。人間が行う簡単な作業をソフトウェアロボットが代行するというイメージです。

■ビッグデータ分析・解析、データ可視化ツール

ビッグデータ分析・解析ツール、データ可視化ツールは、企業のデータ分析と意思決定に広く応用できるツールです。企業に蓄積された大量のデータを集めて分析し意思決定を助ける「BIツール」が代表的です。BIは「ビジネスインテリジェンス」の略。蓄積されたデータを分析し、ビジュアル化したりレポートしたりできます。他には、広告出稿・配信においてビッグデータやログデータを一言管理・分析できる「DMP」があります。

■生産管理システム

生産管理システム(ERP)は、販売管理・在庫管理・生産管理などを簡易的に行うことができます。製造業の現場における情報(納期・在庫・工程・原価など)を一元管理し、QCD(品質・コスト・納期)の最適化を図ることができます。

最新のツールを理解してDX推進の一助に

2020年から始まった新型コロナウィルス感染症の流行に伴う「強制的なリモートワーク」により、今回ご紹介したデジタルツールの一部をすでに導入済みかもしれません。これは、DX化に本気で取り組めるかどうかを検討する良い機会でした。実際に使ってみると、使い勝手がもう一歩だとか、ツール間の連携に困るとか、操作方法がツールによって異なることなど、さまざまなことに気付かされます。デジタルツール提供しているベンダーも、こういったユーザーの声を拾い上げ、どんどん新しい機能やアイデアを追加していきます。

プラカルの開発チームは、かなりの数のデジタルツールを使うことでリモートワークという就業環境を乗り切ってきました。そして、ツールの機能に「あっても使わないもの」や、従来のデジタルツールでは「考慮されていないこと」に気付きました。

その代表的なものが「仕事における属人化をできるだけ避けたい」、「個々人の自立と成長を促すのが難しい」、「ツールが増えるほどメッセージ量が急激に増加する」という3大課題でした。これらは出社前提の勤務形態のときも大きな課題でしたが、リモートワークやハイブリッドワークで更に顕在化しました。

従来のデジタルツールでは「考慮されていないこと」を埋めるべく誕生したのが新発想のチームコラボレーションプラットフォーム「プラカル」です。プラカルが目指しているのは、個々人と組織がともに成長し続ける「職場のDX」なのです。

ポルシェは最新が最良といわれます。デジタルツールも、最新のものは、それ以前のさまざまな課題を解決すべく設計されて、世の中に出てきます。特に、DXは単に製品・サービスを変革するだけでなく、業務プロセスや企業文化も変えて取り組むべきものだといわれます。どのようなデジタルツールを導入するにしても、まずは新しいものを試してみることをお勧めします。

プラカルがマッチするかどうか、ぜひ試してみてください。私たちと同じ問題意識をお持ちの組織であれば、きっとお役に立つものと信じています。


[1] https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf

この記事の執筆者
データ・アプリケーション
Placulマーケティングチーム
経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有していデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて企業のDX推進を後押ししています。

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