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クラウド型の日報/週報で生産性向上を図る

業務改善

2025年01月08日

Placul(プラカル)応用例のひとつ

Placul(プラカル)専用サイトでは、このブログと並んで『事例・利用例』を公開しています。そのひとつがPlaculをクラウド型の業務報告(日報/週報)プラットフォームとして応用する利用例[1]です。弊社の一部組織では、以前はMicrosoft Teamsを利用してクラウド型の日報を運用していました。しかし、次のような課題を抱えており、Placulによってこれらを解決したという実際の利用例です。

● 同じチャネル内にメンバー全員の報告が混在するため、1つの報告を確認すると、他の報告も既読になり、確認すべき報告が埋もれがち
● 個々のメンバーの報告用のスレッドを見つけるのに手間がかかる

どのように課題を解決したかについては利用例の説明を参照いただくとして、ここではクラウド型の日報/週報が業務に与える影響について考えてみたいと思います。

【Placulによる日報/週報の応用画面例】

管理者から見た日報/週報

リモートワークの導入は、同じ組織、同じチームのメンバーが必ずしも毎日顔を合わせるわけではないという状況を生み出しました。こういった状況でも、組織を円滑に運用するため、日報を介して緊密なコミュニケーションを実現するという事例が多くみられました。

リモートワークか否かに関わらず、組織の業務の効率化を図り、生産性を向上させるために不可欠なのが「従業員の管理」です。ですから組織には「管理職」というものが存在していると言ってよいでしょう。従業員の管理を徹底するには、管理職が個々の従業員の状況を詳細に把握する必要があります。管理者からみたとき個々の従業員について、例えば下記を知っておきたいはずです。

 ● 業務の進捗状況
 ● 業務にかかる所要時間
 ● 業務目標達成のための意欲
 ● 取引先や顧客との関係性
 ● 身心の健康状態

管理者はこうした点を把握し、改善すべき点は改善するよう指導し、問題点は従業員とじっくり話し合って解決するといった取り組みが必要となります。ただし、現実には「従業員管理だけをやる管理職」はいません。今のご時世、上位マネジメントほど多忙なプレイングマネジャーです。多くの日常業務をやりながら従業員の言動を細かくチェックし、行動を把握することは不可能に近いのではないでしょうか。

従業員の行動を把握する方法としてはさまざまな手段が考えられますが、あまり費用をかけずに今すぐ取り組むことのできる方法のひとつとして、「日報/週報の活用」が挙げられます。

日報/週報の役割

日報/週報には、その日/週に行った業務内容などを記入します。日報/週報を記入する本人にとってのメリットとしては以下の4点が挙げられます。

 ● その日/週に行った業務を把握することができる
 ● 自分が行っている業務を整理することができる
 ● 翌日/翌週からの業務予定をたてやすくなる
 ● 業務の改善点を把握しやすくなる

理系の大学4年生や大学院生は、毎日の実験を記録する「研究ノート」または「実験ノート」を書くように指導を受けます。この小さな毎日の習慣が、その後の大きな成果につながることを知っているからです。従業員にとっても日報/週報は、「本来は」自分自身の成果に跳ね返ってくる習慣といえます。

管理者にとっての日報/週報は、従業員の行動を把握する以外にも、顧客状況の把握や仕事内容の把握などに有効といわれます。こうした日報/週報の役割を確認してみましょう。

従業員の行動の把握

管理者にとって、従業員の実態は案外把握しにくいものだといわれます。管理者には日々こなさなければならない重要な業務があり、従業員に張り付いて行動を監視しているわけにはいきません。リモートワークであればなおさら把握しにくくなります。

また、管理者に一挙手一投足をつきっきりで監視されてしまうと、従業員はそれが気になって集中力を欠いてしまい、結果的に業務遂行の効率性が低下しかねません。そこで、日報/週報を活用することによって、従業員の行動や業務の進捗状況を把握することにします。

日報/週報によって従業員の行動や業務の進捗状況を把握できれば、例えば以下のようなケースが改善できるでしょう。

■従業員の業務状況を把握できず具体的な指示ができないケース

管理者が新しい指示を出すとき、従業員から「忙しくてムリです」と言われる場面はよく見かけます。従業員がどのような仕事で忙しいのかが全く分からず、業務の状況を説明させるなど、無駄な時間を費やすことになりがちです。または、新しい指示と、多忙の原因の業務の優先順位を判断したくても、その判断材料がなければ何も指示できない可能性もあります。日報/週報を活用し、管理者が従業員の行動や業務の進捗状況を把握していれば、具体的かつ的確な指示ができるはずです。

■従業員の能力に対して誤った評価を下してしまうケース

例えば、従業員AとBに同じような様式の商品マニュアル作成を指示したとしましょう。Aが商品マニュアルを3日間で作成したのに対し、Bは1週間かかって作成した場合、上司や経営者は単純に「A従業員の方がBより仕事が速く優秀である」という評価を下すかもしれません。

しかし、Bは、商品マニュアル作成のほかに、顧客から依頼された提案書作成などの重要業務を抱え、同時進行で作成していたのかもしれません。その際、提案書作成の方にほとんどの時間を費やし、商品マニュアル作成の実所要時間は1日だった可能性もあるわけです。日報/週報を付け、活用していれば個々の従業員のそういった業務状況を把握することも可能となります。

顧客状況の把握

日報/週報を活用することによって顧客状況を把握することが可能になります。会社にとって、顧客が自社の商品やサービスをどう評価しているのか、顧客が現在どのようなサービスを望んでいるのかといった「顧客状況の把握」は必要不可欠といえます。

営業担当者が、日報/週報に「いつごろ」「訪問先」「提案内容」「顧客の反応」「顧客の業績」「顧客の業況」などを記入することによって、顧客状況を把握することが可能になります。しかも、顧客状況を把握することは日々の営業活動に非常に有効です。

営業担当者が顧客を訪問した際に聞いた話を日報に記入しておくことによって、管理者は「顧客が新事業に手を広げようとしている」という業況を把握することができ、営業担当者に的確な指示を与え、その後の営業活動に反映することができます。

また、自社の商品やサービスへのクレームを日報に付けることで、その顧客に対するフォローを行ない、クレーム内容を自社の商品やサービスの質の向上に役立てることなどが可能になるでしょう。

仕事内容の把握

従業員が日報/週報を付けることによって、それぞれの仕事の内容や進め方を把握することができます。組織というものは、たとえどの従業員が急に休むことになったとしてもいつも通り運営していかなければなりません。誰かが抜けても欠けても「それでも組織は回って」いなければならないのです。

しかし、ある仕事を同じ従業員がずっと担当している場合、それほど困難あるいは特別な仕事でないにもかかわらず、ほかの従業員にとって、その仕事が「内容や進め方が分からない仕事」になってしまうことがあります。これでは、その従業員がいない場合などに対応できなくなってしまうでしょう。その従業員が突然の事故にあったり、突然会社を辞めてしまったりしたらなおさらです。日報/週報にその日/週に行った仕事の内容や進め方などを記入しておくことによって、特定の従業員しかできない仕事を減らすことが可能になります。

また、日報/週報を付けることによって、従業員それぞれが「今自分はどのような仕事をしているのか」ということが明白になるため、「うっかり仕事をやるのを忘れてしまった」ということも減少できるはずです。

クラウド型の日報サービス

日報/週報への記入方法として、従来からあるのはメール/Excel/手書きです。ところが、リモートワークまたはハイブリッドワークが定着した組織では、クラウド型の日報サービスに置き換えるところが多く出てきました。冒頭に記述したように本来は日報用ではないMicrosoft Teamsを応用するケースや、Slack、Chatwork、LINE WORKSの機能を用いて日報/週報として活用する例もあります。Placulを日報/週報に応用するのもこれらと似ています。

一方、日報専用のクラウドサービスも出てきました。こうした専用サービスは、従業員ひとりあたり500~1000円/月の費用がかかりますが、従業員・管理者双方の手間の削減と、情報共有のスピードなどを重視する組織では導入を検討している様子です。

このコラム執筆時点で提供されている日報特化型のクラウドサービスと、その特徴をいくつか挙げておきましょう。どのサービスも日報提出が短時間ででき、スマートフォンで記載・閲覧可能です。さらに社内コミュニケーションの手段もそろっています。

■ gamba!(ガンバ)[2]

 ● 日報提出忘れ防止のリマインド機能
 ● 目標管理(KPI)とグラフ表示
 ● iOS、Android対応

■ Pace(ペース)[3]

 ● 日報に入力された作業時間を集計し、業務内容と利益を見える化
 ● 案件の進行中でも、常に最新の利益を確認できる
 ● 利益を増やす方法が、シミュレーション機能でわかる

■ nanoty(ナノティ) [4]

 ● 「いいね!」やコメント機能
 ● 作業時間、工数の集計
 ● サンクスポイント機能

■ houren.so(ホウレンソウ)[5]

 ● 写真+コメントで日報提出
 ● GPS情報で写真を自動仕分け
 ● 写真書き込み機能

■ 未来日報[6]

 ● マルチデバイス対応
 ● 日報と顧客情報管理が同時にできる
 ● 次の予定、アクションを日報で管理

これらクラウド型の日報サービスは、Placul同様に「無料お試し」[7]が可能です。言うまでもなく、全ての業種・規模に適したクラウド型日報サービスは存在しません。実際に使ってみて、自分の組織に合っているか、導入後にはどういう画面を毎日見ることになるか等々を必ず確認したほうがよいでしょう。

日報/週報導入時の課題

実は、日報/週報の活用には代表的ともいえる課題があります。それは「面倒くさい」ということです。従業員が、「毎日日報を書くのが面倒になる」と思うようになり、管理者も「読むのが面倒になる」「ただ読むだけになる」ということがあるでしょう。

日報専用のクラウドサービスを選択する理由のひとつは、これらの開発会社が「日報は書くのも読むのも面倒くさいということを十分に知っている」ことです。

短時間で記入(入力)しやすい日報入力画面を提供するとともに、突発的な仕事も簡単に記入できるような工夫をしているところもあります。日報を書くことで次のアクションをクラウドサービスが指示してくれるなど、「書いておしまい」ではなく「書くと得する」ことを志向しているものもあります。

また、運用上の工夫として、月に一度日報を基に月報を作成することとし、月報を踏まえたうえで、翌月の目標や、半期ごとにより効率的に業務を進めるための改善案などを設定させるといった方法も効果的です。さらには、目標を達成したか否かを賞与に反映させるなどの取り組みも導入すれば、従業員の日報活用を促進することになるでしょう。

そもそもの目的は組織の業務の効率化を図り、生産性を向上させるための「従業員の行動把握」です。決して日報サービス導入を目的にしてはいけません。日報/週報の導入は、従業員の行動把握の「手段」でしかなく、効果的ななコミュニケーションのための「道具」でしかないことを肝に銘じましょう。


[1] https://www.placul.jp/help/usage4/
[2] https://www.getgamba.com/
[3] https://paces.jp/
[4] https://www.nanotybp.jp/
[5] https://www.houren.so/
[6] https://www.mirairepo.net/
[7] https://www.placul.jp/plan/

この記事の執筆者
データ・アプリケーション
Placulマーケティングチーム
経歴・実績
株式会社データ・アプリケーションは、日本を代表するEDIソフトウェアメーカーです。設立は1982年、以来EDIのリーディングカンパニーとして、企業間の取引を円滑に効率化するソリューションを提供しています。1991年からは日本の標準EDIの開発やSCM普及にも携わっており、日本のEDI/SCM発展に寄与してきました。現在は、EDI/SCM分野のみならず、企業が所有していデータの活用についてもビジネススコープを広げています。ハブとなるデータ基盤提供を始めとして、さまざまな角度から幅広く研究・分析を行っており、その提言を通じて企業のDX推進を後押ししています。

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